遠賀町起業支援施設PIPIT(ピピット)
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第16回PIPIT交流会 『福岡から全国へ、全国から福岡へ。 優れたデザインを発信!~福岡デザインアワード~』(7月25日開催)

2018年 07月 26日

 デザインは、ビジネスの新たな価値を創造し、私たちのライフスタイルをも変え、豊かな未来を実現する力を秘めています。

 今回は、福岡県産業デザイン協議会 事務局三小田氏より『福岡デザインアワード』についての説明と今年度の募集要綱についてのお話の後、『福岡デザインアワード』で受賞されたお二人によるプレゼンテーションをしていただきました。

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 企業のデザイン力の向上と生活者のデザインマインドの高揚を目的として「福岡県産業デザイン協議会」が平成11年から毎年開催している『福岡デザインアワード』では、日本国内の中小企業者及び小規模企業者が製造または販売するさまざまな商品の中から、オリジナリティと市場性を有し、デザイン性に優れた商品を表彰しています。受賞商品には、福岡デザインアワードのロゴマークが使用できるほか、小売店と連携したプロモーション販売イベントの実施や、展示会への合同出店など販路拡大支援があります。

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◆新城 孝明(しんじょう たかあき)氏(天佑株式会社 CEO 就労継続支援A型事業所ディアスポラ 代表)

タイトル:「自立する為に覚悟を決めた」

 廃車の際に捨てられる、高級車のシートベルトや、まだまだ使えるモノ、価値のある資材などに着目し、それらを単にリサイクルするのではなく、優れたデザイン性を駆使し、アップサイクルという手法を用いて、全く新しい商品を開発し、さらに、障がい者雇用も生みだしながらビジネスを展開されている新城氏にお話しいただきました。
 はじまりは、介護福祉士として10年のキャリアを積み、福祉作業所を立ち上げたものの、障がいのある人たち(利用者)が自立していくためには、まず、代表である自分が自立しなければ始まらないとの想いでした。知人の紹介で、あるデザイナーのアップサイクルされたシートベルトバッグを見たとき、そのかっこよさとコンセプトの素晴らしさに共感し、感銘を受け、さっそく作業所での生産を試みます。そして、福岡県産業デザイン協議会に参加し、福祉ありきではなく、デザインありきで、勝負に出ます。浮き彫りになったさらなる課題にしっかりと向き合い、取り組んだ結果、大きな飛躍を果たしそのデザイン性が評価され、『福岡デザインアワード』を受賞することができた、と語っていただきました。

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石生 学(いしお まなぶ)氏(株式会社マイサ 取締役常務 デザイナー)

タイトル:「『自分の都合をつらぬけ』マイサ流製品開発の方法〜出来ないことを悩まずに出来ることにあわせていこう〜」

 本業である建築資材のデザインや製作・工事だけでは先が見えないという不安から始めた雑貨などの自社製品の開発。商品は、伊勢丹や東急ハンズやロフトなどで、たくさん売れたものの、在庫リスク、低い客単価、厳しい掛率、受発注にかかる人件費、展示会出展経費、生産体制のコントロール等々、課題は山積でした。その課題と正面から向き合い、現れているマイナス要素(やりたくないこと)を徹底的にリストアップし、その真逆の要素を抽出しました。そして抽出された要素で事業を展開しようと決めた後、今まで発売していた商品に発想の転換が訪れます。「在庫を抱えたこのランプシェードのサイズを変えて、建物を覆ってみたらどうか?」

その発想の転換で、完全受注で行えるメリットなど、リストアップした理想のビジネスの形が同時に現れてきました。

 まさにタイトル通り、ご自身が、ご自身の出来る事やりたいことにきちんと向き合ったことから生まれた「自分流」ビジネス展開について語っていただきました。

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 講師の皆さま、ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。