経営コンサルタント・中小企業診断士の齊藤久美氏をお招きして開催した、起業準備および食関連ビジネス全般をテーマとした個別相談会に、お二人の方が参加されました。

コンセプト・販路、そして資金面のアドバイス

　食品製造で起業することを計画中の相談者が試作品を持参して始まった最初の相談は、商品コンセプトと設備や販路、そして資金面に関してアドバイスがありました。

　商品コンセプトは、価格設定に影響します。例えば、製品が日常食か非日常食か、あるいは自分で食べるものかギフトとして利用してもらうものなのかによって適正価格が異なるので、まずはどのようなシーンで食べられるのかをしっかりと固めてみましょうという指摘がありました。

　また、保健所の営業許可を受けるなどで、計画を一歩でも前に進めることが大切だという助言がありました。それに加え、地域で開催されるマルシェをはじめ、販路について検討する必要があること、そして、事業に投資する金額を具体的にイメージすることで、計画がより現実的なものに変わるという提言がありました。

販路拡大とブランディング

　次に、農業を営む相談者が、販路の拡大とブランディングを中心に相談をしました。齊藤氏からは、より小さな容量のパッケージを加えることで、自家消費用だけでなく、ギフトとしても使いやすくなるのではないかとアドバイスがありました。

　それから、エンドユーザーと接点を持つことはとても良いことなので、相談者が計画を進めている農業の体験教室や、SNSなどを活用した情報発信には、ぜひ積極的に取り組んでほしいという助言もありました。

　相談者は、「取り組むべきことが明確になった」「売り方とファンづくりの工夫に早速取りかかる」と、起業や事業拡大に向けてスイッチが入ったような表情を見せていました。