「地域おこし起業家の今後の事業展開~福岡よかとこビジネスプランコンテスト受賞者に聞く~」第35回PIPIT交流会
今回の交流会のテーマは「地域おこし起業家の今後の事業展開~福岡よかとこビジネスプランコンテスト受賞者に聞く~」。
福岡県内でそれぞれの視点・活動で人と人、物を繋いで地域課題解決に取り組まれている起業家3名をお招きしました。
会場はフィジカルディスタンスを確保するため少人数とし、オンラインでも参加できる形で開催しました。
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1.起業家プレゼンテーション
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眞山 昌氏(岡垣スタイル 代表)
(福岡よかとこビジネスプランコンテスト2020 地域活性化賞受賞)
「生きる力を地域が育てる『岡垣スタイル』~子どもの「生きる力」を地域資源活用ビジネスで育成し、地域を活性化する~」
眞山氏は東京生まれ東京育ちで仕事も東京でしたが、豊かな自然に憧れて、岡垣町に移住しました。
そこで、子どもたちの未来を切り開く力を養うために、地域の大人が自分のスキルを活かして、子供たちの学びや地域づくりに活用する仕組みを作れないかと考えました。
そのための最初のステップとして、地域の子どもたちと地域産品を販売するECサイトを制作し運営することにしました。
生産者と消費者をつなぎ、地産地消を促進し、その収益金を元に子どもと大人の学び場を運営します。そして、地域課題、地域資源を価値に変えるスモールビジネスの量産を目指しているそうです。
大人たちはスキルを活かして複業を行い、子どもたちは地域と繋がっていきます。この生きる力を地域が育てる取り組みを地域ブランド「岡垣スタイル」として地域間で連携して取り組んでいきたいと考えています。
事業運営を通じて、子どもの生きる力、大人の地域での活躍の場を作り、地域を活性化させたいと話されました。
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悦田 愛笑氏(株式会社Saticle 代表)
(福岡よかとこビジネスプランコンテスト2020 チャレンジマインド賞受賞)
「子どもを通した社会づくりの実現~子どもに携わる人々や組織を、社会と繋ぎ充実感が循環する社会をつくる~」
悦田氏は大学で保育士資格と幼稚園教員免許を取得し、保育者を目指している学生のプラットフォームの構築や保育・教育に関するイベントを開催してきました。
その経験から2021年1月に株式会社Saticleを立ち上げました。
現在、Zoomを活用した幼稚園・保育園のオンライン合同就職説明会や普段接点の少ない保育者と学生のワークショップ型のインターンシップを開催しています。また、保育者と保育者を目指す学生、保護者の方などがフラットに話せるイベントを実施し、出会いの創出につなげています。
悦田氏は「幼児教育」や「保育」は、子どもたちを支える非常に大切なものであり、子どもたちの日々の発見や経験は人格形成に大きな影響を与えると話されます。
オンライン合同説明会、オンライン座談会等のイベント開催、ヒアリング、園内研修等の組織サポ―ト、就職サイトの展開を実施し、ミスマッチ解消、コミュニティの活性化を行うことで保育者の定着率を上げ、安定した活力のある現場をつくりたいとお考えです。
「子どもたちに携わる全ての人々の伴走者となり、保育業界そして社会の未来を共に創っていきたい。現場の人々、保育者を夢見る人々、そして子どもたちが持っている力を信じ、互いに認め合い、活かし合い、充実感が循環する社会を目指していきたい。」と意気込みを話されました。
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小島 慎太郎氏(株式会社totonoi 代表取締役)
(福岡よかとこビジネスプランコンテスト2020 大賞受賞)
「都市と山のカルチャーをつなぐ、これからの里山資源の付き合い方」
小島氏は大学時代に全国ヒッチハイクやインド放浪をする中、映画「INTO THE WILD」に出会いハンターを目指します。
ITベンチャーの経験を経て、新宮町地域おこし協力隊となります。新宮町では山間部の活性化が課題でした。小島氏は、ボーダレスアカデミーでソーシャルビジネスを学び、狩猟免許を取得し、自ら山に狩猟に行き、鹿・猪を捕獲しています。
「FUKUOKAわなシェア」という会費制の団体をつくり、気軽に狩猟体験ができるようにし、食育にも繋げています。
さらに、ジビエの利活用は増えているけれど、皮は捨てられている現状を見て、より広い層とを繋ぐ仕組みを作りたいと「福岡産のシカ革プロジェクト」を立ち上げます。
シカ革製品をECサイトで販売して、販売益を山の健全化につなげて行く取り組みです。新宮町、嘉麻市、田川市、みやこ町、豊前市と連携しています。
今後はシカ革製のアウトドア・登山用品の開発、山・森と人を繋ぐ場の開発、育林事業に取り組まれる予定です。
株式会社totonoiは「里山をアップデートする」をミッションとしています。自然資源を獲るだけではない文化が里山にあり、ビジネスを手段として、山と人をつなぎ、より豊かな世界を創造したいとお考えです。
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2.意見交換・質疑応答
意見交換では、各講師の課題設定や課題解決方法等について様々な意見が出されました。
参加者からは「大変刺激を受けた。」「様々な分野の課題や問題を知ることが出来て視野が広がりました。」といった感想が寄せられました。