遠賀町起業支援施設PIPIT(ピピット)
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セミナー付個別相談「空き部屋・空き家を使ってプチ起業~民泊の始め方とお客さんの集め方~」(10/19開催)

2018年 10月 20日

 この日は雨天のうえ、電車トラブルもあり、スタートが少々遅れましたが、会場は満席。いつものように参加者の自己紹介から始まりました。夫婦で、ビジネスパートナーと一緒に、といった方もいて、皆さんの本気度が伝わってきます。

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 講師は、民泊施設「Tarou's House」を開業して3年、行政書士の資格を取得したばかり、という宮本佳明氏。宗像市出身で旅行好き、海外のB&B(ベッドと朝食の簡易宿泊施設)事情にも詳しく、笑顔から気さくな人柄がにじみ出ます。祖父母の家を相続し、日本最大級の民泊仲介サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」の登録から始めた民泊。まずは、その市場について、お話いただきました。

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 2020年には4千万人目標、とも言われているインバウンド。馴染みのなかったその言葉も、今やすっかり市民権を得て、「爆買い」現象も落ち着き、多様化、マニアック化が進んできているとのこと。「円高や災害などで一時的な落ち込みはあるものの、民泊ビジネスは成長産業であり、一過性ではない。」との話に参加者の目が輝きます。福岡県では、インバウンドの5割が韓国から。台湾、中国がその後に続きます。外国人の10%強、日本人でも5%が民泊を利用しているといったデータもあるそうです。

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 九州・福岡の観光資源は、まだまだ開拓の余地あり、といった状況ですが、旅行スタイルは、モノからコトへ、ローカルへ、個人の興味関心へ、と変化していることから、民泊ビジネスも工夫次第。今年の6月に施行された民泊新法により、安心イメージも確保されつつあり、トラブル時には仲介サイトがサポートしてくれることや、外国人に対しては翻訳アプリや外部機関が頼れることなども教えてくれました。

 「Tarou's House」は、貸別荘のような「バケーションレンタル型」。住宅地の中にあり、多人数でゆったり、家庭的な雰囲気で寛げるのが魅力です。家族で4日程度を利用するゲストが多いそうですが、撮影用の時間貸しといったことにも応じていて、稼働率100%なら50万円程度の売上が見込めるとのこと。開業に至るまでの諸経費や毎月の支出、料金設定、自身の仕事内容などなど、参加者が気になっていて聞きにくいことも、包み隠さず話してくれました。

 また、民泊仲介サイトの中では、良い写真を数多く載せることや、最適な訴求文言をつけること、更新をまめにすることなど、旅行者に選ばれるための努力や工夫も具体的にすることが大事であることも教えていただきました。そして、宮本氏が何よりも重要視するのは「レビュー」。ゲストの満足度が、次のゲストにつながることを意識し、滞在中は細やかな対応をしていることが窺い知れました。

 民泊経営には、クリアすべきルールや注意点が数多くあります。また、運営には知識や労力はもちろん、気配りやスピード感も必要になってくるでしょう。しかし、ゲストとの交流や手ごたえ、地域の再発見やつながり...といった楽しみは一生もの。まだまだ話し足りない、もっと話を聞きたい、そんな余韻の残るセミナーとなりました。

 個別相談の希望者も多く、当初の予定2組枠を拡大し、4名3組で実施しました。