遠賀町起業支援施設PIPIT(ピピット)
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『第4回 遠賀町ビジネスプランコンテスト』表彰式及び受賞者プレゼンテーション(第29回PIPIT交流会)(1月16日開催)

2020年 01月 16日

 今回の交流会では、「第4回 遠賀町ビジネスプランコンテスト」の受賞者表彰及び受賞者プレゼンテーションを行いました。
 このコンテストは、地域の特産品や人などの地域資源を生かしたプランや、地域課題解決などにつながるプランを募り、それらを実施に導くことで、新たな起業家の創出と遠賀町の活性化を図ることを目的としています。

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【募集期間】令和元年8月1日~9月10日
 応募総数21件
【第1次審査会】令和元年10月16日実施
【第2次審査会】令和元年11月25日実施
【表彰式及び、受賞者プレゼンテーション】令和2年1月16日の「第29回PIPIT交流会」において実施しました。

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 最初に、公務により出席されなかった古野町長に代わり、遠賀町総務課池田課長より「一人でも多くの方が、PIPITの起業支援事業を活用し、遠賀町で起業していただくことを期待しています。」という熱いメッセージがありました。

 その後、審査に携わった遠賀町起業支援協議会大場会長から、審査の経緯、将来性・独創性などの審査ポイント、総評などが述べられました。

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 今回のコンテストでは、21件の応募が寄せられ、書類審査による第1次審査会、そして昨年11月の第2次審査会を経て、3名の受賞者が選ばれました。

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 表彰式には、受賞者の家族や知人の他、起業を目指している人、先輩起業家らが集まり、各プレゼンテーションにも力が入りました。

●グランプリ(一般の部)************************************

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 金田 淳二 氏「遠賀産米粉のスイーツ専門店」

 今現在、米粉で作った麺『べいめん』のレストランを営んでいる金田氏。日本中の稲作農家が高齢化している事、後継者が不足している事、新規就農者が増えないことを憂慮し、田んぼを守ろうというプロジェクトを進めています。また、クラウドファンディングで、米粉の麺を使った創作ラーメン店を出店する計画もあります。
 その中で考えられたプランが、遠賀産米粉のスイーツ専門店を出店していくというものです。
 日本全国の食用米の生産量が年間700万トンまで下がり、小麦粉の輸入量は650万トンまで増えています。それだけお米を食べなくなってきていますが、その分、小麦アレルギーを持つ人も多くなってきました。そこで、稲作文化発祥の地といわれている、ここ遠賀の地から持続可能な農業を活性化していくために、2次加工品の開発と販売のシステムを作り上げ、米粉で作られた商品を多数販売できれば、自然と田んぼが守られると考えました。
 具体的には、地元遠賀高校の生徒と連携し、遠賀町産米『夢れんげ』の米粉を使ったスイーツを『乙女ごころ』というブランドで立ち上げ、遠賀の赤しそを使うなど、いろいろなスイーツを開発。まずは軒下で販売し、地元の人に愛される商品作りをします。年間計画で900kgのお米を商品として販売できれば、15アールの田んぼが救えるとのことです。
 パウンドケーキやシフォンケーキ、ブッセ等小麦アレルギーの人でも食べられて、女性層、団塊の世代をターゲットに販売していくビジネスモデルです。今後色々なところで遠賀産の米粉を使ったスイーツが見られるかもしれません。

●遠賀町長賞*****************************

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 関口 智子 氏「遠賀町発、困った時はお互い様!私のできることde代行サービス」

 関口氏が、このビジネスを考え始めたのは、あるスーパーでご高齢の婦人がたくさんの荷物持ち、苦労してタクシーで帰る姿を見た時だったそうです。自分の強みイコール自分のできることと思い立った関口氏はまず、ショッピング代行を考えます。かさばるものや、重たいもの、近くにない商品が欲しいとき、買いたくても、そこまで行くことができないなど、そんな人たちの代わりに手数料を貰って買ってくるサービスです。また、遠賀町では近くにお店が無い場所も少なくありません。一日の食事回数が少なくなる高齢者に、朝ご飯として、パンや軽食などを朝の10時までに配達するサービスも既存の食事配達システムの「ウーバーイーツ」と同じ手数料で行います。他にもスマホの個別レッスンや高齢者がパーティーを開くときのメニュー企画、お墓詣り代行がビジネスアイデアに盛り込まれています。
 気になるのは採算が取れるかということですが、手始めにチラシを作って無差別に500世帯に配ったところ、そのうちの1%が興味を持ったそうで、遠賀郡全体に広げると採算は見込めると判断しました。3年後にはアルバイトを雇う計画もあるそうです。これからの目標は「高齢者にとって面白く楽しい町になるような企画を創りたい」とのこと。どこでも映画の会、ひとりの高齢者の誕生日をみんなが祝えるくらい面白くしたい、と自作の献立カタログや珍しいモノショッピングカタログも紹介いただきました。

●輝く未来のビジネスプラン賞******************************

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 中島 誠 氏「地域包括ケアシステム実現へ向けた人材育成事業の創業」

 中島氏は、政府が推進している地域包括ケアシステムについて、現場を支える介護職の人材不足と新規就業者確保、離職者の職場復帰やアクティブシニアがシルバー世代を支える社会の仕組みづくりが課題ととらえています。
 介護業界は、他の業種に比べて求人倍率が圧倒的に優位ではあるものの、短期間で離職する率が非常に高く、その原因は管理職のマネジメントにあるそうです。初任者介護職を育成してもそのマネジメントが出来ずに離職。一度離職したらその業界に戻ってこない負のスパイラルに陥っていくとのこと。今後、病院から在宅診療・介護へと患者さんの移動が加速していく事を考えると、介護職員不足はさらに加速していくと考えられるとのことです。
 そこで座学から実習まで一貫した多様な教育の「場」を提供し、就業機会をサポートする地域に根差した存在感あるNPO法人を立ち上げるプランを考えました。まず、定年退職を控えた在職シニア世代、アクティブシニア、副業として介護を考える若い世代、そして定年延長対応の課題を抱えた地元の企業などを介護事業者とマッチングします。そして、マッチング後のサポートとして、介護のみならず、ITの基本的スキルと併せた研修プログラムを履修していただきます。それによって、立ち上げるNPO法人と介護する人材、介護利用者、そして介護事業者をネットワークでつなぎ、それぞれの働き手の生きた時間を介護に使うことで社会に貢献できる喜びが味わえる世の中を作りたいと話してくれました。

 

●エールプレゼン 濱砂 清 氏(一般社団法人SINKa 代表理事)***************

 エールプレゼンでは、濱砂氏が、会場からの質疑応答と併せて、受賞者にプラン実現に向けたのアドバイスを行いました。

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 受賞者3名によるプレゼンテーションの後には、金田氏が作った美味しい米粉のスイーツを囲んで来場者全員での交流会を行いました。受賞者への祝福とプランの実現に向けてのアイデアの話が出るなど実り多い交流会となりました。

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