遠賀町起業支援施設PIPIT(ピピット)
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遠賀町起業支援ワークショップ『カードゲームで学ぶSDGs』(3月4日開催)

2019年 03月 05日

 2015年9月に採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は、2030年までに、先進国も新興国も途上国も、国も企業もNPOも個人も、あらゆる垣根を超えて協力し、より良い未来をつくろうと国連で決まった17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。
 SDGsにどう貢献するか模索をはじめた企業や自治体も登場し、急速に認知度と期待度が上がってきている昨今、起業家としてもぜひ押さえておきたい「SDGs」について、一般社団法人イマココラボ認定 2030SDGsファシリテーターの亀井 直人氏を講師にお招きし、起業された方や、起業を目指している方が、自らの事業にSDGsを活かしていけるように学んでいただくためのワークショップを開催しました。

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 ワークショップでは、「2030SDGs」というカードゲームを楽しみながら、現在から2030年までの道のりを疑似体験します。

 与えられたお金、時間、プロジェクトなどが示されたカードを使い、プロジェクト活動を行うことで、最終的にゴール達成を目指します。

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 このゲームの世界では、現実の世界と同様に、さまざまに異なる価値観をもった人がいて、「大いなる富」というお金が一番大事という価値観を持った人や、「悠々自適」という時間がゆったりたっぷりあるのが幸せだという人、「貧困をこの世からなくしたい」という人や「環境を守りたい」という人などの複数の設定があり、それぞれが理想とするゴールが存在します。

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 まず最初に簡単な自己紹介の後、講師よりカードゲーム「2030SDGs」について説明し、2~3人ずつグループに分かれて、さっそくゲームがスタートしました。

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 参加者達は、自分の手にしたカードを活用しながら、各自、ゴールの達成を目指すことに専念します。

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 ゲームの中では「プロジェクト」のカードがあり、そのプロジェクトを実行した場合、カード内に明記してある数値が「世界の状況メーターの変化」に反映していく仕組みになっています。
 例えば「交通インフラの整備」のプロジェクトを行うと、「世界の状況メーター」は経済がプラス1、環境がマイナス1になります。つまり、どのプロジェクトを行うかで世界の状況が刻々と変わっていき、参加者全員が行うプロジェクトの結果、2030年の地球の未来が現れていく、という風にゲームが進んでいきます。

 1回目のゲームの結果「世界の状況メーター」は、経済ばかりが突出し、環境や社会は置き去りになるという、危機的状況にある地球の未来が現れました。

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 その結果を見た後、もう一度、ゲームを行います。

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 今度は前半の雰囲気とは変わり、参加者同士お互いに持っているカードの情報を伝えあったり、必要なカードについて呼びかけ合ったり、また、自分の事業の達成ではなく、自分のカードの権利を他に譲る人なども現れていました。そして、その2度目のゲーム結果による「世界の状況メーター」は、経済だけでなく、環境と社会についての数値もバランスよく伸び、地球の健康はなんとか保たれたのでした。

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 講師からのまとめのレクチャーの中では、バックキャスティング、つまり、未来のある時点に目標を設定しておき、そこから振り返って現在すべきことを考える方法の重要性や、目標を達成するためには目標を宣言することが必要ということについても教えていただきました。

起業家として、単なる利益の追求だけでなく、大前提となる持続可能な地球の未来も鑑みながらビジネスを行っていく必要性を実感できるワークショップでした。

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