遠賀町起業支援施設PIPIT(ピピット)
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セミナー 付き個別相談「クラウドファンディング」(9月14日開催)

2018年 09月 15日

 個別相談会では、「空き家をリノベーションして活用し起業する際の資金調達のためにクラウドファンディングを活用したい。」、「以前、事業に関連してクラウドファンディングを申請したが落とされた。どのようにしたらうまく通るのか教えてほしい。」といった内容の相談がありました。

 2件の個別相談の後、セミナーでは、まず参加者の自己紹介を行い、中にはすでにクラウドファンディングに挑戦した経験のある方もいて、皆さんの真剣度がうかがえました。

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 講師は、中小企業診断士であり、webシステムにも詳しい廣門和久氏。日本のクラウドファンディング第一人者である板越ジョージ氏の「クラファンカレッジ」認定アドバイザーとして活躍されています。まずは、クラウドファンディングは単なる資金集めではなく「マーケティングのツール」であるということ、そして、確固たる戦略と理論に基づく戦術が成功のカギであるといった話から始まりました。

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 クラウドファンディングの発祥はアメリカ。寄付文化が根付いているアメリカとそうではない日本とでは、その規模やカテゴリー、支援者像に違いがあること、その規模や成功事例も教えていただきました。24億円を集めた事例や、支援者22万人を集めた事例には、思わず驚きの声があがりました。日本でも、急激にその規模は伸び、昨年は16億円規模。今後もさらなる伸びが予想されているそうです。

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 クラウドファンディングにはいくつかの種類があり、どういった流れで行うのかといったことも丁寧に説明がありました。成功時報酬型か実施確約報酬型のどちらかを選ぶ必要があること、返礼品(商品)をどう工夫するかといったことにも触れ、クラウドファンディングを成功させるためには、勢いや情熱だけではどうにもならないことが理解できてきました。また、スペースワールド閉園時の花火プロジェクトを例にあげ、「目標額には達せず失敗ではあったが、宣伝としては成功だったのでは?」といった話からは、クラウドファンディングの奥深さも感じました。

 そもそも、なぜクラウドファンディングを利用するのか。クラウドファンディングのメリットについても、理論的に説明がありました。新商品のテストマーケティングができたり、消費者直接でない関係業者への販路拡大やコラボにつなげたり、事業を応援していただけるファンの囲い込み、宣伝効果...と多角的に活用できることが改めて理解できました。「首都圏や全国に向け、九州から効果的にアピールできる手法である。」との言葉に大きくうなずく参加者もいました。

 クラウドファンディングは資金調達のためのゴールではないということが明確に見えたところで、どんな人がクラウドファンディングに向いているか、成功のポイントについても具体的に教えていただきました。参加者からは、クラウドファンディング業務の代行についての質問も出ましたが、SNSでの拡散やチーム作り、迅速な対応など、企画者自身の努力が何よりも欠かせないことを実感したセミナーでした。

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